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蓄電池の充電の仕組み/蓄電池機能付充電器も解説

蓄電池は別名「充電池」とも言い、蓄電=充電とも言い換えることができます。

■太陽光発電で充電

今、当たり前に設置されてきている太陽光発電。

地球温暖化の原因である温室効果ガスを排出しないクリーンな発電方法と知られていたことから、15年以上前から注目を集めていました。

ただ、太陽光発電には蓄電機能が付いていないため、家庭で発電した電気は溜めることができません。その為、余った電気は電力会社に売ったりします。

 

緊急時や災害時など突発的な停電が日中の晴天の時に起きた場合は、太陽光発電で対応することはできますが、夜間や悪天候の時は発電能力が少ないので対応が難しくなります。

 

そこで今、太陽光発電に充電機能を取付けた蓄電池が広がってきています。

 

■電池の種類と仕組み

電池は大きく分けて一次電池と二次電池の2種類あります。

 

一次電池は使い切りの電池。例を挙げるとすれば、マンガン電池やアルカリ電池が一次電池になります。車のスマートキーなどで使われている、ボタン型・コイン型と呼ばれる電池もほとんどが一次電池。

 

二次電池は充電して繰り返し使える電池。つまり「充電池」。

住宅用蓄電池は電気を充電したり、放電したりする電池になりますので、二次電池になります。

 

電池の仕組みですが、電池の中では化学反応が起こっており、電池内部で電子(イオン)が電解質を通し、極間をマイナスからプラスに移動することで「動力(電圧)」が発生する。電池を使い(放電し)、電池内部のイオンがすべてプラスに移動したら、一次電池の場合は使用不可になります。

外部から電流を流して、この電子(イオン)をマイナス極に戻してあげるのが「充電」です。

繰り返し使える仕組みとは、移動する電子(イオン)を外部からの充電電流により“スタート地点”に戻してやるということです。

また、内部の電極に使われている素材によって、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、NaS電池、リチウムイオン電池など種類がありますが、充電と放電を行う基本的な仕組みはどれも同じです。

 

■リチウムイオンはすごいヤツ

リチウムイオン電池は、小さくてパワフルがあり、なおかつスタミナもあります。

その名前のとおり、リチウムを使って電子(イオン)が移動することで電気をつくります。

リチウムを含んだ化学物質は大きなエネルギーをもっており、少し水に触れただけでも化学反応が始まるほど強力で、高い電圧を生み出すことが可能です。他の二次電池である

「ニッケル水素電池」の定格電圧が1.2Vに対して、3倍の定格電圧を持っています。

しかもとても軽く電圧が高い。つまり、エネルギー密度(容積に対する電圧出力)が大きいので、同じ条件で電圧を比較すると、容積が小さく軽い電池をつくることができる。

 

リチウムイオン電池は、大きなエネルギーを生み出せて、なおかつ軽い。また、充電・放電の繰り返しにも強く、長期間繰り返し使うことができるので、モバイル機器や住宅用蓄電池にぴったりの電池です。

 

■充放電の管理に気を使わなければいけない

リチウムイオン電池は、もちろん弱点もある。過充電(満タンになっても充電を継続してしまうこと)や、過放電(電気が空っぽになってしまうこと)、さらには設計時に想定していない充電や放電によってトラブルが出るケースもあったりします。

リチウムは「大きなエネルギーを持った物質」だが、わずかな水で反応するくらい繊細な物質でもあるので、満充電になったら充電を停止したり、満充電に近くなったら電流を小さくしたりと、電圧にかかる電圧・電流を細かく制御する必要があります。そのため、リチウムイオン電池の作動を制御する機構が組み込まれています。

 

■蓄電池の働き

例えば、蓄電池を導入した場合にはどう利用できるのか。

下図は、家庭用蓄電池のシステム構成を表したもの。

電力線は停電時に給電されない一般負荷電源ライン(青線)と、停電時に電力が送られる重要負荷電源ライン(緑線)に分かれており、別々の分電盤を使用します。

平常時の時は、電力系統と接続された一般負荷電源ラインを介し、蓄電池の運転モードに合わせて電力を供給したりして蓄電を行うことができます。

非常時は、一般負荷電源ラインが使用できなくなるため、放電することで重要負荷(特定負荷)に電力を供給することが可能です。

 

電池の充電状況や異常は通信ライン(赤点線)を経由して接続されている操作パネルや見える化システムを用いて、確認できるようになっております。

停電時の系統への影響や作業員の感電を防止するため、重要負荷電源ラインは系統に接続されていません。

その代わり、停電時でも自動的に蓄電システムからの給電に切り替わるようになっている仕組みが組み込まれています。

 

■種類別蓄電池

①NaS電池 

特徴

・構成材料が原始的に豊富で、量産によるコストダウンが可能で理論エネルギー密度も高い。また充放電時の副反応がなく(自己放電もない)、充放電のエネルギー効率も高く長寿命。SOC(※1)の利用可能範囲も広い。

※1:SOCとは、State of Charge の略で充電レベルを意味します。

参照:日本ガイシ株式会社

 

②リチウムイオン電池

特徴

・エネルギー密度が高く、充放電エネルギー効率が極めて高い。しかも自己放電が小さい。溶解析出反応を伴わないので、長寿命が期待できます。また急速充放電が可能で充電状態が監視しやすい。低いSOCで劣化が起こりにくい。

 

③鉛電池

特徴

・比較的安価で、使用実績が多く、比較的広い温度範囲で動作。過充電に強く、高電流密度による放電が可能。リサイクル体制も確立。

 

④ニッケル水素電池

特徴

・溶解析出反応を伴わないので、長寿命が期待でき、過充電、過放電に強い。SOC範囲も極めて広く、急速充放電が可能である。また使用温度範囲も広い。理論エネルギー密度も高く、エネルギー効率も比較的高い。

 

■蓄電池機能付充電器のメリットとは

家庭用蓄電池の導入を検討しているご家庭は「蓄電池機能付充電器」という選択しもあるのをご存知でしょうか。名前の通り蓄電池機能が付いた充電器です。もともとEV(電気自動車)への充電を目的として開発されたものでして、注目されている商品です。

 

■蓄電機能による経済メリット

蓄電機能による経済メリットについてご説明します。

標準的なご家庭の1ヶ月あたりの電気使用量450kWhを想定して計算してみます。

蓄電池機能付充電器の蓄電容量は12kWhですが、実容量は11kWhなので1ヶ月あたりの充電容量は・・・

11kWh × 30日 = 330kWhになります。

深夜電力の割安な電気を充電し、昼間の割高な時間帯に使いますので、34円(昼間電力)-10円(深夜電力)=24円。

この家庭の1ヶ月の経済メリットは・・・

330kWh × 24円 = 7,920円になります。

 

■充電機能による経済メリット

EV(電気自動車)の充電によって得られるメリットも出てきます。

1ヶ月の走行距離が1000kmの自動車を所有する家庭を想定して計算してみます。

満タン充電24kWhすると容量24kWhでの走行できる距離は約200kmです。

1,000km走行するのに必要な充電回数は1,000km÷200km=5回なので、

必要な電力は24kWh×5回=120kWh、5回充電するのに必要なお金は120kWh×10円(深夜電力)=約1,200円、

1ヶ月1,000km走行する自動車の充電代はおよそ1,200円になります。

 

一方、ガソリン車で同じ条件で計算してみると・・・

燃費13km/ℓの自動車を所有しているとすれば、1ヶ月に使う燃料は1,000km÷13km=77ℓ、

ガソリン代(レギュラー)140円/ℓと仮定すると、1ヶ月の燃料代は140円×77ℓ=約10,800円、の燃料代が掛かってきます。

なので、ガソリン車をEV(電気自動車)に乗り換えると燃料費の削減メリットは・・・

10,800円 - 1,200円 = 約9,600円になります。

 

■「蓄電池機能付充電器」の導入に向けて

上記の2つの削減メリットをたしますと・・・

7,920円 + 9,600円 = 17,520円になります。

例えば10年間のスパンでみると・・・

17,520円 × 12ヶ月 × 10年 = 2,102,400円になります。

導入費用がこの価格前後であれば、誰もが魅力を感じる商品となっているわけです。

蓄電機能メリットもあり、将来的にEV(電気自動車)を考えている世帯にとっては、一考の余地ありではないでしょうか?

 

■メーカー各社はオプション機能も充実

4Rエナジー(フォーアールエナジー)の「エネハンド充電器」で紹介いたします。

「エネハンド充電器」では、オプションで独立コンセントが用意されています。

万一、本体が故障した時に充電できなければ困るので、別途で取り付けることができます。

 

また開発段階の「LEAF to Home(リーフトゥホーム)」という機能があり、専用のEVパワーステーションを設置することで、

日産のリーフなどの電気を家庭用電源として使えるシステムです。

今であれば三菱がだしている、「V2H(ヴイトゥエイチ)」というものがあります。

 

次世代の一翼を担う電気自動車。各メーカーが技術革新に取り組む中、日本経済のカギを握る分野として施策が次々と整備されています。

今後の住環境は、IoT(Internet of Things)だけでなく次世代エネルギーも踏まえた技術革新が進み、

これから私たちのライフスタイルに劇的な変化をもたらしてくれることでしょう。

 

■蓄電池+α情報!

リチウムイオン二次電池ができるまで!

 

ステップ①「原料」

現在リチウムは、世界の7割のシェアを南米で塩湖生産で生産する既存メーカー3社が占めています。地熱発電所の使用済み地熱かん水に含まれるリチウムを回収し製品化する画期的な製造方法で生産しています。

 

ステップ②「材料」

正極材に使われる材料はリチウム以外にマンガン、コバルト、ニッケルなどがあります。

このうちどの原料を組み合わせて正極材にするかによって電池の性能、寿命を決める。

正極材の製造過程は溶解・反応・乾燥・混合・焼成・紛砕ですが、この過程での異物混入は製品の安全性や寿命に致命的な影響を与えるので、

絶対に避けなくてはならない。

 

ステップ③「製品」

ロール状に巻かれたアルミの板に何十ミクロンの厚さで正極材を塗布すると正極部品ができる。

同じように薄い銅板に負極材を塗布すると負極部品ができます。

組立:製品の大きさに切り取られた正極部品と負極部品の間にセパレータという絶縁体を挟み、

電解液を注入しアルミパックのように包んで封をすると、ラミネート型LiBの基本パーツが完成します。

 

家庭用蓄電池の事なら ひだかや株式会社にお任せ!