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ヒートショックについて

こんにちは!

今回は、ヒートショックについてです。

急速な新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、全国的な外出自粛が続いています。

この冬は、危機感を募らせている人も多いことでしょう。

しかし、冬の脅威は新型コロナウイルスだけではありません。

室内の急激な温度変化が体に負担をかける「ヒートショック」にも気をつける必要があります。

 

ヒートショックは、血圧の乱高下によって体に負担をかけてしまい、脳梗塞や心筋梗塞などの健康被害をもたらす可能性があります。誰にでも起こり得る身近なショック症状です。特に高齢の人は、血圧を正常に保つ機能が低下するために、ヒートショックのリスクが高まるといわれています。近年、ヒートショックによる浴室での溺水も増加傾向です。

 

ヒートショックとは温度差によって血圧が大きく変動すること

ヒートショックは温度の急な変化が体に与えるショックのことです。

急激な温度差は、血圧の大きな変動を引き起こし全身の血流量の減少を招きます。その結果、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こしてしまう可能性があるのです。最悪の場合、急死にいたる事態となります。

暖かい場所から寒い場所へ移動したときに身体が小刻みに身震いするのも、実はヒートショックです。ヒートショックは身近な症状であることを知っておきましょう。

ヒートショックは入浴中に発症しやすい

特にヒートショックは入浴時に発症することが多いと分かっています。冷気に包まれた脱衣所や浴室から、熱い湯水に浸かることで、ヒートショックが起こるのです。11月~3月の冬期シーズンは、寒暖差が大きいため注意しなければいけません。

高齢者の溺れ事故による救急搬送者数(2018年)
参考:消費者庁「みんなで防ごう高齢者の事故!
※65歳以上を高齢者として集計

ヒートショックによる高齢者の死者数は年間7,000人以上

消費者庁の調べによると、高齢者の不慮の事故による死因は「転倒・転落」「誤嚥等の不慮の窒息」「不慮の溺死及び溺水」の順に死亡が多いことが報告されています。

この「不慮の溺死及び溺水」の7割は浴槽における溺水です。まさに入浴中にヒートショックを引き起こし、浴槽で意識がなくなったと考えられます。

 

ヒートショックが起こる理由は血管の収縮

急な温度変化がヒートショックを引き起こす原因となります。体の仕組みを説明しながら、ヒートショックが起こる理由を解説しましょう。

私たち恒温動物は気温の変化に合わせて体温調節をします。

寒いときは筋肉を震わせて熱を作ります。同時に、体内の熱を逃さないために、血管を細くして血流の量を減らします。そのため血管が縮むことで、血圧が上昇するのです。

反対に暑い場所では、熱を逃すために血管が広がり、血圧が低下するのです。

温度と血圧の関係

  • 寒い(冷たい):血管が縮んで血圧が上昇
  • 暑い(熱い):血管が広がり血圧が低下

急な温度変化は急速に血圧が上下するため、体に負担がかかります。するとヒートショックによるめまいや立ちくらみが発症するのです。さらに脳梗塞や心筋梗塞を患う恐れがあります。

10度以上の温度差がある場所への移動は、気をつけてください。自宅でも暖房の効いた部屋から「浴室」「脱衣所」「トイレ」などの寒い場所への移動するときには注意が必要です。

温度と血圧の変化の関係

ヒートショックの症状と対処法

ヒートショックになったときの症状はさまざまです。どのような症状が現れるのか解説します。

症状 対処法
軽度
  • めまい
  • 立ちくらみ
症状が治まるまで安静にする
重度
  • 呼吸困難
  • 胸の痛み
  • 頭痛
  • 嘔吐
  • 意識の消失
  • ろれつが回らない
  • 立ち上がれない
  1. 救急車を呼ぶ
  2. 湯水の中に鼻と口が入らないようにあごを手で支えながら、浴槽の水を抜く
  3. 嘔吐している場合は嘔吐物を取り除く
  4. 浴槽からゆっくり体を引き上げて、横にする

【軽度な症状】めまいや立ちくらみ

めまいや立ちくらみは軽度のヒートショックです。動かず安静にして、めまいや立ちくらみが治まるのを待ってください。

【重度な症状】呼吸困難・嘔吐・意識の消失

胸が締め付けられるように痛む場合は「心筋梗塞」の恐れがあります。心筋梗塞とは、心臓の筋肉に血液が流れなくなった状態です。すぐに救急車を呼んでください。

嘔吐している場合は、呼吸ができるように嘔吐物を取り除きます。

なお、入浴中にヒートショックになった人を見つけた場合は、口や鼻に水が入らないようにします。浴槽の水を抜いて、ご本人を湯船から出してください。一人で担ぐことが難しい場合、浴槽のお湯を減らし溺れないようにします。お湯を全部抜くと体重が重くなってしまいます。

【その他の症状】頭痛・ろれつが回らない・嘔吐・意識の消失

頭痛やろれつが回らない場合は「脳卒中」の恐れがあるので、すぐに救急車を呼びます。脳卒中は脳梗塞・脳出血・くも膜下出血などの総称です。

脳卒中の場合もあるので、無理に動かしたり揺さぶったりしてはいけません。嘔吐物を取り除き、横向きに寝かせた状態で救急車を待ってください。

 

ヒートショックになりやすい人には特徴がある

ヒートショックになりやすい人の特徴は以下にまとめました。多く当てはまる人は注意してください。不整脈・高血圧・糖尿病などの疾患がある方は、高齢者でなくてもヒートショックになる確率が高いことが分かっています。

ヒートショックになりやすい人の特徴

  • 65歳以上の高齢者
  • 高血圧・糖尿病・動脈硬化がある
  • 肥満、睡眠時無呼吸症候群、不整脈がある
  • 冬場は浴室や脱衣所、トイレが寒い
  • 食事や飲酒後に入浴する
  • 熱い湯温や一番風呂を好む
  • 入浴の時間が長い

ヒートショックを予防する10の対策

ヒートショックにならないために、予防策を紹介します。高齢の方はもちろん、一緒に暮らしているご家族も以下の項目に考慮して、ヒートショック予防に努めてみてください。

ヒートショックの予防策

1 入浴前に家族に一声掛ける
2 脱衣所や浴室を暖めておく
3 湯温は41度以下、長湯しない
4 肩まで浸からない、胸の下ぐらいが目安
5 浴槽からゆっくり立ち上がる
6 食後、飲酒後、服薬後の入浴は避ける
7 入浴前後に水分補給する
8 冬期の外出は帽子・マフラー・手袋などを装着
9 トイレに暖房器具を設置する
10 排便時は無理にいきまない

ご家族による日ごろの声掛けやコミュニケーションによって、命を取り留めることも大いにあります。なお、一人暮らしの高齢者の人は、冬場に冷える部屋を作らないように設備を整えることが大切です。

 

浴室以外にも室内には寒暖差があり、暖房の効いた部屋から冷えきったトイレや廊下への往来もヒートショックを引き起こすきっかけになりかねません。その対策として思い切って住まいをリフォームするのがおすすめです。

近年、日本における住宅の気密・断熱性能は格段に向上しています。家一軒丸ごと建て替えるのはハードルが高いかもしれません。

ですが、床や壁に断熱材を施工したり、サッシを気密性の高いものに交換したりするだけでも、外気の流入が抑制でき、室内の寒暖差を小さくする効果が期待できます。

お家時間が増えた今だからこそ、ヒートショック対策として住まいのリフォームも検討してみてください。

 

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