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2019年問題が話題になり、ご家庭に家庭用蓄電池の設置が増えてきております。
では蓄電池の仕組みはどうなってるの?導入のポイントは?という疑問について解説していきます。
■蓄電池とは
まず、蓄電池とは充電することによって電気を蓄え、繰り返し何度も使用することが出来るのが特徴です。
■蓄電池の基礎知識
2011年の東日本大震災の影響を受け、今国内におけるエネルギー需給の在り方は大きな転換点を向かえていることでしょう。
電力受給問題を解消するためにも、安心安全で効率的にエネルギーの供給・確保できる電力受給体制の確立が急務となっており、ITテクノロジーによるエネルギー利用のスマート化(HEMS,BEMS,スマートグリッド等)や、それに対応した製品等の見直しが推進されてきております。
そういった社会システムを築いていくためには再生可能エネルギーの普及拡大、今後は何より蓄電システムの導入が不可欠であり、社会だけでなく個人や企業でも取り組んでいく必要があるでしょう。
■蓄電池の仕組み
蓄電池はさまざまな種類の電池があります。
種類によって蓄電池を構成する素材や構造が異なりますが、基本的には以下のような仕組みで働いていきます。
蓄電池は、硫酸などの電解液の中にプラス(+)極とマイナス(-)極になる金属を入れることによって電流が生まれる仕組みです。プラス(+)極にはイオン(+)が溶けにくい金属、マイナス(-)極にはイオン(+)が溶けやすい金属を設置し、イオンとくっついていた電子(-)がマイナス極からプラス極に流れる仕組みです。
このように電子がプラス極に向かって移動すると同時に電流が生まれ、電気エネルギーとして使用することができます。この時に蓄電池の中では電解液の中にマイナス極の金属がどんどん溶け出します。これを「析出」と言いますが、マイナス極の金属がすべて析出してしまうとこれ以上電気を放出出来なきなります。
反対に充電させる場合は蓄電池に電流を流し、プラス極の電子をマイナス極に移動させることによってプラス極の金属を電解液の中に析出させます。これにとって蓄電池の中に電気エネルギーを貯めることができます。
■蓄電池の働き
例えば、蓄電池を導入した場合にはどう利用できるのか。
下図は、家庭用蓄電池のシステム構成を表したもの。
電力線は停電時に給電されない一般負荷電源ライン(青線)と、停電時に電力が送られる重要負荷電源ライン(緑線)に分かれており、別々の分電盤を使用します。
平常時の時は、電力系統と接続された一般負荷電源ラインを介し、蓄電池の運転モードに合わせて電力を供給したりして蓄電を行うことができます。
非常時は、一般負荷電源ラインが使用できなくなるため、放電することで重要負荷(特定負荷)に電力を供給することが可能です。
電池の充電状況や異常は通信ライン(赤点線)を経由して接続されている操作パネルや見える化システムを用いて、確認できるようになっております。
停電時の系統への影響や作業員の感電を防止するため、重要負荷電源ラインは系統に接続されていません。
その代わり、停電時でも自動的に蓄電システムからの給電に切り替わるようになっている仕組みが組み込まれています。
■充放電の原理
電池は、イオン化傾向の異なる+(プラス)極と-(マイナス)極の金属と電解液から構成されていて、化学反応を用いて発生した電気を取り出します。
この+(プラス)極と-(マイナス)極のうち、負極にはイオン化傾向の大きい金属が、正極にはイオン化傾向の小さい金属が用いられており、負極の金属がイオン化することで電子を放出し、正極へと流れていき、電気が作られる仕組みです。
電池は、ずっと放電していくとイオン化傾向の大きい負極は溶けてしまい、最終的には反応できなくなります。乾電池は、ここで交換が必要になります。しかし二次電池は充電を行うことで再度使用することができるのです。
充電は放電の逆反応となり、エネルギーをかけて逆向きに電流を流します。
そうすることで、正極の金属が溶けだしてイオンとなり、負極でイオンが金属となって析出し、放電前の状態に戻るのです。
また、内部の電極に使われている素材によって、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、NaS電池、リチウムイオン電池など種類がありますが、充電と放電を行う基本的な仕組みはどれも同じです。
■種類蓄電池の特徴
エネルギー分野で利用可能な蓄電池は4種類になります。
各蓄電池によって自動車用や出力安定化用として、様々な特色を活かし開発・利用されています。
①NAS電池
参照:日本ガイシ株式会社
②リチウムイオン電池
③鉛電池
④ニッケル水素電池
■蓄電池の導入のポイント
家庭用蓄電池を選ぶ時のポイントは下記の6つです。
蓄電池を選ぶ際にはどんなことに気を付けて、メーカーを選ぶべきか。
電気代や住環境や生活スタイルに合わせて選んでいきましょう。
①蓄電容量
導入目的を明確化することが必要です。
蓄電容量によって使える電力量が異なるので、生活スタイルや太陽光発電の
売電量に合わせて選びましょう。
例えば非常電源を確保したいという事であれば、使いたい電気製品の消費電力を知ることが大切です。
使用状況によっても異なりますが、必要な電力量を求めるには・・・
使用電力量(Wh)=消費電力(W)×使用時間(h)
ただし、電気製品の負荷は使用状況によって異なりますので、蓄電池にかかる負荷がどのように変化するのか考慮が必要です。また接続したい機器の合計消費電力が蓄電池の最大出力上回らないようにする必要がありますので注意しましょう。
②寿命
充放電の回数には寿命があり、保証されている回数を超えると蓄電容量が減ってきます。蓄電池の寿命はどれくらいなのかということも知っておきたいですね。
③サイズ
メーカーによっても大きさはさまざまですので、設置場所に置けるサイズであるか、事前に現場調査してもらうとよいでしょう。
④太陽光発電との併用
2011年7月に固定価格買取制度がスタートし、太陽光発電は加速度的に普及しました。ただ性質上夜間や天候の悪い日には発電量が期待できず、停電時にも今ひとつ確実性に掛ける部分があります。そういった中で、太陽光発電と蓄電池システムを併用することによって効率的に節電ができ、強固なライフラインが確保できるでしょう。
お昼間は太陽光発電の電気をご家庭で使用し余った電気は売電します。また早朝や夕方・夜間は深夜の割安な電気を蓄電池に貯めて使用することによって、購入電力量を抑えられます。
蓄電池には「経済性モード」や「グリーンモード」といったいくつかの運転モードが搭載されておりますので、太陽光発電システムの設備容量やライフスタイルに合わせて使用することが出来ます。
※地域や条件によって異なります
【ハイブリッド蓄電池】
ハイブリッド蓄電池とは、蓄電池本体と太陽光のパワーコンディショナーがセットになった家庭用蓄電池です。通常は太陽光と蓄電池を設置すると、パワーコンディショナーが2つ必要になってしまいますが、ハイブリッド蓄電池の場合は1つで大丈夫なのです。1つのパワーコンディショナーで太陽光と蓄電池の両方をまかなうことが可能になります。
ハイブリッド蓄電池を設置することで、日常生活で使用する電気をさらに効率よく使用することができ、特に太陽光の固定価格買取制度が終了した11年目からは、ハイブリッド蓄電池の導入を検討することをお勧めします。
⑤価格
本体価格の他に、設置工事等の費用も掛かります。また地域によっては、補助金の金額も異なります。見積りを依頼した業者さんに問い合わせてみましょう。
⑥保証
メーカーによっても、保証内容や期間はさまざまです。しっかりとチェックすることをお勧めいたします
■自治体からの蓄電地システムの補助金は出るの?
令和2度(2020年度)は、各都道府県や市区町村で補助金が設定されていますので、検討中の方は各自治体にご確認いただくか、ひだかや株式会社にお問い合わせください。
■自治体からの蓄電池の補助金は太陽光が必須?
補助金の支給条件は、都道府県や市区町村によって違います。
例えば岡山県岡山市は蓄電池の単体導入の補助金は受け付けておりません。倉敷市では、蓄電池単体の導入でも補助が受けられます。
補助金額【岡山市】※太陽光と同時設置のみ
蓄電池:補助対象経費の1/3(上限15万円)
HEMS:補助対象経費の1/3(上限10万円)
要するに満額が25万円となります。
補助金額【倉敷市】
蓄電池:初期実効容量×2万円(上限8万)
要するに満額が8万円となります。
このように市区町村によって金額や蓄電池システムに関わる商品に対しても
補助金がでますので、把握する必要があります。
■蓄電池+αで知っとこ!
【卒FITの今後の未来】
みんな電力では、「誰の電気がどこに行くかが見える」をモットーに、独自のブロックチェーンP2P電力取引システムを開発しました。
電力の生産者と需要家の直接取引により、電力の個別売買をできるようにするものになります。
ENECTパワープールと名付けられたプラットフォームで、RE100企業や自治体などが、希望する電源を指定して電力を購入。買取先との間で個別に価格を決められるので、卒FIT電力においては、RE100企業などに再エネ価値を評価した価格で買い取ってもらうこともできるのです。
需要家向け再エネ小売取引の事例
みんな電力では、実証事業を経て独自プラットフォームを商用化させたことによって、発電事業者も需要家も特定できるので、電源証明にも有効。再エネ価値の見える化も期待できます。