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■蓄電池ラインナップ
■各メーカーのハイブリッド蓄電池比較
京セラ | 東芝 | ||||||||
マルチDC リンク | ハイブリッド蓄電池 | ||||||||
蓄電池 本体 | 外観 | ||||||||
公称容量(kWh) | 7.2 | 6.5 | 5 | ||||||
設置場所 | 屋外 | ○本基礎 | – | ○(屋外用) | |||||
屋内 | × | ○ | ○(屋内用) | ||||||
電池材料 | マンガン系 | SCIB(安全性◎) | |||||||
外形寸法(mm) | 1110*295*985 | 712*513*290 | 780*910*300 | ||||||
質量(Kg) | 200 | 95 | 94 | ||||||
ハイブリッド パワコン | 外観 | 蓄電池本体に 内蔵 | |||||||
ハイブリッド機能 | ○ | ○ | ○ | ||||||
最大出力 (連系/自立) | 5.9kW/3.0kW | 4.8kW/1.5kW | 5.5kW/1.5kW | ||||||
回路数(PV) | 4回路 | 3回路 | 3回路 | ||||||
設置場所 | – | 屋外(壁掛け) | 屋外(壁掛け) | ||||||
外形寸法(mm) | – | 650*493*222 (DCDC別) | 650*493*222 (DCDC別) | ||||||
逃がさずチャージ | 停電時 | ○ | ○ | ○ | |||||
電圧抑制 | ○ | ○ | ○ | ||||||
定格発電以上 | × | ○ | ○ | ||||||
自立自動切替時間 | 約10秒 | 約10秒 | 約10秒 | ||||||
停電時負荷機器 | 必須(特定負荷用分電盤) | 必須(自動切替機能付分電盤) | |||||||
蓄電池保証 | 無償10年 | 無償10年 | 無償10年 |
モニタ | 2年 | 2年 | 2年 |
遠隔見守り | × | × | × |
HEMS連係機能 | × | × | × |
家電等連系 | × | × | × |
オムロン | |||||||
ハイブリッド蓄電池 | |||||||
蓄電池 本体 | 外観 | ||||||
公称容量(kWh) | 6.4 | 6.5 | |||||
設置場所 | 屋外 | – | – | ||||
屋内 | ○床置-壁固定 | ○床置-壁固定 | |||||
電池材料 | 3元系 | ||||||
外形寸法(mm) | 406*640*165 | 452*655*120 | |||||
質量(Kg) | 60 | 52 | |||||
ハイブリッドパワコン | 外観 | ||||||
ハイブリッド機能 | ○ | ||||||
最大出力(連系/自立) | 4.8kW/1.5kW | 5.5kW/1.5kW | |||||
回路数(PV) | 3回路 | 3回路 | |||||
設置場所 | 屋外(壁掛け) | ||||||
外形寸法(mm) | 650*493*222(DCDC別) | ||||||
逃がさずチャージ | 停電時 | ○ | |||||
電圧抑制 | ○ | ||||||
定格発電 以上 | ○ | ||||||
自立自動切替時間 | 約10秒 | ||||||
停電時負荷機器 | 必須(特定負荷用分電盤) | ||||||
蓄電池保証 | 無償10年 | ||||||
モニタ | 2年(長州産業の場合) | ||||||
遠隔見守り | × | ||||||
HEMS連係機能 | × | ||||||
家電等連系 | × |
■現在主流の蓄電池はシングル発電タイプ
・初期の蓄電池システムはコンパクトで移動型
出始めの蓄電池システムはコンセントに繋いで蓄電する、コンパクトで移動が出来るものが主流でした。誰でも気軽に持ち運びができ、コンセントに繋ぐと蓄電し、その蓄電池本体に家電製品のコンセントを繋ぐと使用できるタイプ。容量は1kWh~2kWhのものです。
ただ、移動型蓄電池だとあくまで蓄電池本体についているコンセントを差した家電製品だけが使用できるというものです。家の照明やコンセントに電気を送ることはできません。
・中期の蓄電池は定置のダブル発電型
定置のダブル発電は非常時に家の照明などの電気を使用できたり、分電盤に繋いで普段の電気も使用できるものが出てきました。
ただ分電盤に繋ぐことによって、太陽光発電システムが発電している時も蓄電池に蓄電しておいた電気を使いますので、太陽光発電システムが発電した電気が使われず、余る電気が増えるため多く売電してしまうことになります。そうなるとダブル発電とみなされ、売電単価が減額されてしまいます。
・現在の蓄電池は定置のシングル発電型
定置のシングル発電型の蓄電池は、大型で分電盤に繋いでもダブル発電にならないので売電単価が減額されず、太陽光発電との連系もできます。
■家庭用蓄電池を知りたい
家庭用蓄電池の発電モードは「シングル発電」、「ダブル発電」と2つあります。
・シングル発電(押し上げ効果なし)
「シングル発電」又は「押し上げ効果なし」とも呼ばれています。
こちらが太陽光発電と蓄電池の1日の電力使用状況のイメージ図になります。
①ナイトタイム(23時~8時)
電力会社の電気を家庭で使い、蓄電池に夜間の割安な電気を蓄える。
②ファミリータイム(8時~10時、17時から23時)
蓄電池に蓄えた電力を放電し家庭内で使います。
③デイタイム(10時から17時)
太陽光発電で発電した電気を家庭内で使用し、余った電気を売電します。
シングル発電のメリットは買取価格そのままで、太陽光発電で補えない部分は蓄電池の電気を使用します。
・ダブル発電(押し上げ効果あり)
「ダブル発電」又は「押し上げ効果あり」とも呼ばれています。
こちらが太陽光発電と蓄電池の1日の電力使用状況のイメージ図になります。
①ナイトタイム(23時~8時)
電力会社の電気を家庭で使い、蓄電池に夜間の割安な電気を蓄える。
②ファミリータイム(8時~10時、17時から23時)
電力会社の電気を家庭内で使う。
③デイタイム(10時から17時)
蓄電池に蓄えた電気を優先的に使用し、太陽光発電の売電量が増える
ダブル発電のメリットは買取価格は安くなりますが、売電量が増えますので、日中電気を使うご家庭や太陽光発電のシステム容量が少ない方にお勧めです。
■蓄電池のメリットデメリット
蓄電池のメリットデメリットを知っておくと良いでしょう。
・蓄電池のメリット
①太陽光発電と連携し効率アップ
太陽光発電と蓄電池は相性がとてもいいです。ご家庭の住環境やライフスタイルに合わせて「太陽光の売電量をアップ」または「太陽光発電が発電していないときに蓄電池にためた割安な電気を使う」ことができます。
②災害時や停電時でも安心
災害時などで停電になったら、非常用電源として安心して電気を使うことができます。
③太陽光発電のパワコンのリプレースとともに蓄電池の導入がベスト
パワコンの寿命や保証切れと共に取り替えるならハイブリッドパワコンと蓄電池がお得。
また、パワコン一体型蓄電池も省スペースで効率アップ。
・蓄電池のデメリット
①容量によって蓄えたり、使える電気の量が違う
各メーカーによって蓄電容量が異なり、うまく活用できないケースもあります。
しっかりと住環境やライフスタイルに合わせて選びましょう。
②寿命
蓄電池には寿命があります。各メーカーによって異なりますので、良い製品を選びましょう。
③設置スペースが必要
蓄電池を設置する際は、スペースの確保が必要です。製品の寸法を確認し、また直射日光が当たらない場所で風通しの良い場所を選びましょう。
■太陽光発電システムと蓄電池は相性が良い
今蓄電池システムの問い合わせや導入される方が増えてきています。
それは太陽光発電との相性がいいからです。
その理由は、太陽光発電のデメリットを補ってくれるからです。太陽光発電は太陽が出ている時間帯しか発電しません。なので、お昼間の電気は安くなり、余った電気は売ることが出来ます。しかし雨の日や夕方以降の発電が弱まってきたときは、電力会社から高い電気を買わないといけません。ところが蓄電池システムは、割安の深夜電力を蓄電池システムに蓄電し、発電量が消費電力より低い場合は蓄電池システムが蓄電した安い電気を放電いたします。こちらがイメージ図になります。
■蓄電池の相談問い合わせが増えてきている
太陽光発電の取り扱いをしていると、オール電化や蓄電池システムのご相談が増えてきています。それは住宅用の太陽光発電の補助金がなくなった為、補助金が出ている蓄電池システムを検討されている方が増えてきているから!
そしていつもご相談時にお伝えすることがあります。
■蓄電池は儲からない
これは、ご相談時にお伝えしておりますが語弊があるかもしれません。
もちろん電気代は下がりますが、太陽光発電のように蓄電池システムは、金銭メリットが蓄電池の初期投資金額を上回ることは起こらないです。
蓄電池の価格(月々)>蓄電池の金銭メリット
それでも、今蓄電池システムの導入が右肩上がりで増えてきておりますが、それはなんでなんでしょうか?
■蓄電池だけ購入した時の費用回収年数
・蓄電池のみを導入した場合の費用回収年数
蓄電池のみの導入は、どれくらいの金銭メリットがあるのか計算してみます。
【条件】
・蓄電池容量:7.2kWh
・使用可能容量:5.76kWh
・充放電効率:94%
・メーカー:京セラ
・深夜の買電単価:10円
・日中の買電単価:32円
(※中国電力の料金プラン「ファミリープランⅡ」をもとに算出)
蓄電池システムの金銭メリットは、日中に買電単価と深夜の買電単価の差額になります。
日中払うはずだった電気代 - 蓄電時に払った電気代 = 年間電気代削減 |
63,072円 - 19,710円 = 43,362円 |
平成27年度は、京セラの蓄電池7.2kWhが148万円の金額でして、補助金が53万円出ていました。自己負担額は約95万円になる計算です。
自己負担額95万円÷削減金額43,362円=費用回収年数約21年になるわけです。
■太陽光発電システムと蓄電池のセットで導入した時の費用回収年数
・蓄電池と太陽光発電システムをセットで導入した場合の費用回収年数
次に蓄電池と太陽光発電システムをセットで導入した場合は、どれくらいの金銭メリットがあるのか計算してみます。ここではセット率の高いメーカー「シャープ」で計算してみます。
・メーカー:シャープ
・蓄電池容量:4.2kWh
・太陽光発電の設置容量:5.5kW
・月の電気代:12,000円
・日中の電気使用割合:30%
・深夜の買電単価:10円
・日中の買電単価:32円
・太陽光発電175万円
太陽光発電のみの費用回収年数は約9年になります。
費用回収年数が固定買取制度10年を下回り9年と、とても金銭メリットがあると言えます。
ここに蓄電池システムを同時設置するとシャープの場合はハイブリッドパワコンが使用可能になりますので太陽光発電+蓄電池システムの金額が270万になります。
太陽光発電+蓄電池システムを同時に設置しましたら、費用回収年数は12.4年になるわけです。
お分かりかもしれませんが、この差を見て太陽光発電だけでも費用回収年数は早いですが、蓄電池システムを同時に導入しても、それほど年数が変わらないのです。しかも固定買取制度10年を超えても、余った電気を蓄電地システムに蓄電し、お家で使用できるので先の事も考え安心して電気が使えます。
これが最近になって蓄電池システムが売れている理由です。
一次蓄電池ブームで主流でした、ダブル発電タイプですと費用回収年数は15年を超えてしまいます。
これから太陽光発電の導入をお考えされている方は、一度蓄電池システムの同時設置の見積もりを取ってみるのも良いでしょう。
蓄電池システムの耐用年数はシャープであれば約30年ですので、長年にわたって利用できすることが出来ます。
■蓄電池の本質的メリットなところ
蓄電池の本質的なメリットは2つあります。
1.非常時の電源
蓄電池を導入する一番のメリットは、非常時に電気が使えるという安心感です。
例えば蓄電池7.2kWhの蓄電池がフル充電の状態であれば、以下のものが12時間使用できます。
停電時には自動で蓄電池からの電気が供給されるようになりますので、どの配線に電気を流すかは設置する際に設定しておきます。
2.ピークシフトに貢献できる
電力需要のピーク(13時~16時)を避けて電気を使用することをピークシフトといいます。
蓄電池があれば、電力会社から供給される電気を使う時間をずらすことができ、電力需要のピークの山を減らすことができます。
電気は貯められないので、電力会社は電気の需要に合わせて火力発電や水力発電など調整用の発電設備を動かしたり止めたりする必要があります。
発電設備は、動かしたり止めたりしないほうが稼働効率が良くなり、電力需要の山と谷をなるべくなくすことにより、無駄なエネルギーを使う必要がないのです。
ですから、蓄電池があれば電力需要のピークのやまと谷を減らすことができるので、日本のエネルギー事情に貢献ができるでしょう。
■補助金を活用すべき
補助金はあるうちに活用すべきだと思います。
多数のお問い合わせがありましたが、平成29年度の家庭用蓄電池の補助金は出ませんでした。
では平成30年度はどうなのか。
結論から言いますと蓄電池単体の導入の場合は出ない確率が高いです。補助金の予算は組まれていましたが、「ZEH化等による住宅における低炭素化促進事業」の方に組み込まれそうです。
○主なスマートハウス関連補助金【2018年度予算案より】
事業名称 | 事業概要 | 要求額 |
ZEH化等による住宅における低炭素化促進事業(環境省・経産省・一部国交省連携) | 1.ZEH化による住宅における低酸素化社会促進
①ZEHの交付要件を満たす住宅を新築・改修する者。 ②ZEH要件を満たす住宅に、低炭素化に質する素材(CLT、CNF等)を一定量以上使用し、または先進的な再エネ熱利用技術を活用した戸建住宅を建築。 ③分譲集合住宅及び賃貸集合住宅(一定規模以下)のZEH相当となるものを新築、又は同基準を達するよう既築住宅を改修する場合。蓄電池の導入補助も用意。 実施期間:①は平成31年度まで、②・③は平成34年度まで実施。 補助率等:①・③70万円/戸、②90万円/戸、蓄電池3万円/kWh(上限30万円)別途補助 2.高性能建材による住宅の断熱リフォーム ①既存戸建住宅及び、②既存集合住宅について、高性能建材導入に係る経費(設計費、設備費、工事費、諸経費)の一部を補助。 住宅太陽光発電設備が設置されており、①の事業に加え、一定の要件を満たす家庭用蓄電池、又は蓄熱設備を設置する者に設備費と工事費の一部を補助。 実施期間:平成31年度まで 補助率等:①1/3(上限120万円/戸)、②1/3(上限15万円/戸)蓄電池設備費(3万円/kWh上限1/3)、工事費(上限5万円/台)別途補助蓄熱設備 設備費・工事費合わせて(上限5万円/台)別途補助 |
85億円 |
■自治体からの蓄電池の補助金はでるの?
平成29年度は、各都道府県や市区町村で補助金が設定されていました。
平成30年度設置で検討中の方は各自治体にご確認いただくか、ひだかや株式会社にお問い合わせください。
平成29年度事例
補助金額【岡山市】
蓄電池:補助対象経費の1/3(上限15万円)
HEMS:補助対象経費の1/3(上限10万円)
要するに満額が25万円となります。
補助金額【倉敷市】
蓄電池:補助対象購入金額の1/10(上限10万)
要するに満額が10万円となります。
このように市区町村によって金額や蓄電池システムに関わる商品に対しても
補助金がでますので、把握する必要があります。
【対象者】
・住宅に導入すること
・未使用であること
・市税を完納していること
■停電時のメリット
停電時(非常時)には、どれくらいの電気が使えるか。
※満充電時で保証値ではありません。
・シャープ 4.2kWhの場合
冷蔵庫24時間/日、テレビ3時間/日、照明5時間/日、
スマートフォン1台/日
・京セラ 12kWhの場合
冷蔵庫、扇風機、テレビ、携帯電話、ノートPC、蛍光灯スタンド
(使用する電力の合計が430W程度とした場合)
・パナソニック 5.6kWhの場合
冷蔵庫50w×1台、LED照明50w×2台、液晶テレビ100w×1台
携帯電話5w×3台
・スマートスター 9.8kWhの場合
LED電球30w→約278時間点灯、32型液晶TV1000w→約83時間視聴可能
電子レンジ1000w→約8時間稼働、冷蔵庫50w→約167時間稼働
・オムロン 6.5kWhの場合
冷蔵庫50~100w、テレビ100~150w、照明50w~100w、携帯電話充電5wが約19時間使えます。
・NEC 7.8kWhの場合
ラジオ14w、液晶テレビ110w、LED照明(10個)80w、ノートPC30w、携帯電話充電(2台)10wが約18時間使えます。
・東芝 7.4kWhの場合
照明100w、冷蔵庫160w、テレビ150w、パソコン他30wの計440wを約14時間連続して使用できます。
・フォーアール 12kWhの場合
下記の電気製品がほぼ1日の電力を蓄電地システムでカバーできます。
冷蔵庫430L 130wが1日、液晶テレビ230wが12時間、エアコン暖房670wが3時間、IH炊飯器200w(炊飯30分+保温3時間)、洗濯機300wが1時間、IHクッキングヒーター1300wが30分、蛍光灯30w×3個と蛍光灯60w×3個が4~5時間、掃除機1000wが30分、電子レンジ1450wが30分
■停電で困ることのアンケート
・冷蔵庫内の食材が腐る
・照明が使えない
・冷暖房が使えない
・充電ができない
・テレビが見えない
などが上げられています。
■家庭用蓄電池のまとめ
家庭用蓄電池はたくさんのメーカーが参入しております。太陽光発電のメーカーやライフスタイルに合わせてメーカーを選んでいく必要があります。太陽光発電を長く使っていくにあたって、今後はシングル発電かつハイブリッド蓄電池が主流になってくるでしょう。